yukicoder でコンテストを開催しました。
yukicoder での単独 writer は初です。
参加者 137 人。多くてビックリです。参加ありがとうございました!
コンテスト開催にあたって
最近ちょくちょく yukicoder に問題を出すようになってきて、単独コンテストが開きたくなったのでやりました。
難易度の制約は多少ありますが、自分の作問ストックのうち特にお気に入りのやつを出そう思いました。
全体としては考察問題(ABCよりはARC寄り)の問題を出す方針で考えていたので、「実装量<考察量」の問題が多いと思います。
また、難易度傾斜をミスらないようにテスターは全体テスター2人(rianoさん、nok0さん)でやってもらいました。
テスターは難易度評価が正しいのも大事ですが、問題の面白さの感覚が合うのが大事だと思っていて、特に作問が面白いと思っているこの2人にやってもらいたいと思い、こちらから頼み込みました。引き受けてくれてありがとうございます!
各問題へのコメント
解法への言及もあります。
問題名の横の星は(当初の提案難易度→相談後の最終難易度)です。
A問題 :Anti Lexicography(★1.5)
1問目はできるだけ簡単な方が参加者が多くなるだろうという目論見で、できるだけ解きやすい、かつ単純すぎない問題を作ろうと思い設定を考えました。
B問題:Tunnel(★2.0 → ★2.5)
問題設定から考えました。セットの中で一番最初に考えた問題です。
無限回魔法を使うと「.#.#.#」という構造になるという性質からこの問題を作りました。この構造を問う問題設定にしても良かったかも。
解法はシンプルですが、問題設定から正しい解法を選ぶのが難しいと思うので多くの人が苦戦していたみたいです。
B に置いたのが失敗でした。こういうタイプのは難易度評価が難しいですね。迷ったら高めにしておけば安全?
C問題:Max Middle(★2.5)
解法 ( > と < の swap) から考えました。
自分の作問こういうタイプの問題が多く、解法から都合の良い問題設定を考えるのが好きです。
操作の条件が隣接項の関係なので、そこに注目して単純化(今回は不等号の向きを考える)をすれば解きやすくなると思います。
難易度とパズルっぽさがちょうど良かったのか多くのFavを頂いてかなり嬉しいです。
A_i = A_{i+1} の場合があっても同様に解けます。
D問題:NAND Pyramid(★2.5 → ★ 3.0)
問題名から考えました。セットの中で一番最後に考えました。
設定を考えて実験してみたらキレイになってビックリ。
実験すると簡単で、理詰めしようとすると沼ってしまうため、難易度に個人差が出そうです。
証明もシンプルで、普通に全パターン考えれば必ず交互に同じやつが出ることが分かります。
E問題:Strange Arrange(★3.0)
問題設定から考えました。
最初は一番気に入ってた問題でしたが、時間が経つにつれて自明に見えてきて愛が薄れて行き・・・
想定解は綺麗だと思ってましたが人によっては典型らしいですね。あと普通に貪欲が通るらしいです。残念。
本番中は2番めの制約を考慮しなくても通るジャッジになってました。すみません。
F問題:Copy and Avoid(★3.5 → ★3.0)
問題設定から考えました。
最初は「嫌いな数」が無かったんですが、難易度上げたくてつけました。本質の難易度はそんなに変わらない?
問題設定からはあまり想像し難い「約数列挙」が登場し、そこからグラフの問題になるのが個人的に面白いと思いました。
わりと典型らしいので★を下げました。人によってはD,Eより解きやすかったかも。
G問題:010-1 Deletion(★4.0 → ★3.5)
問題設定から考えました。
最初は 010 だけでしたが、シンプルすぎたので 1 を加えたら O(N^3) が浮かび、そこから O(N^2) になりました。
010 のみの時から考えていたので、解法と証明はわりとすんなり書けました。
こういう必要十分条件を考えてDPする問題、証明を書くのが楽しいですね。
コンテストを開催した感想・反省点
参加してくれた人の解法・感想ツイートを見るのがかなり面白いですね。
Fav もたくさんついてやりがいを感じました。
難易度推定がミスったのが残念でした(特にB問題の位置)
D,E の逆転は仕方無いですが、きれいな傾斜にしたかったですね〜
G は解かれすぎなくてちょうど良かったと思います。
E のジャッジ壊れてたのも申し訳ないです。すごく単純なミスなので防ぎたかった・・・
最後に
単独 writer すごく楽しかったのでまたやりたいです。
現状作問ストックがたくさんあるので、あと 2 セットくらいは組む予定です。
オムニバスコンにも少しずつ出すかもしれません。
他の milkcoffee の作問したものも是非見ていってください↓
milkcoffee 作問リスト - Google スプレッドシート
記事は以上になります。参加&読んでいただきありがとうございます。